本人の対応で大切なこと

うつ病は、初期の段階で対応を始めて、重症化しないことが大切です。
もし、うつ病と診断されても適切に治療すれば治すことができます。

 

ただし、再発の可能性の高い病気であり、回復にはある程度の時間が必要になります。
回復の過程で、一喜一憂しないでゆっくりと治療に取り組むことが重要です。

 

うつ病で重要なのは、まずは十分に休むことです。
その上で、多くは抗うつ薬を中心とした薬物療法が必要となってきます。
うつ病では、興奮や不安を抑制するセロトニン、覚醒を促して心身の活動を活発化するノルアドレナリンという神経伝達物資が減少することがわかっています。
そこで、薬物によってこれら神経伝達物資の量を調整して、神経伝達回路を回復させます。一般的には、長期にわたる服用が必要となり、服用の勝手な中断は症状の増悪や慢性化につながるので禁物です。

うつにこう対応しよう

脳が疲れていると自覚しよう
意欲や気力が低下して、「何もしたくない」「何もできない」と感じたとしても、それは怠けたり甘えたりしているのでは決してありません。
それは、脳が疲れているのだと自覚しましょう。

 

心のエネルギーを貯める
うつ状態は、心のエネルギーが枯渇している状態なので、「休養」「栄養」「服用」によって心のエネルギーを蓄えるようにしましょう。
休養には、仕事を離れることも含みます。
うつ状態に陥る人の多くは生真面目で、仕事を休むことで周囲に迷惑をかけるのではと考えがちですが、十分な休養こそ早期回復への足掛かりです。
休職のことも頭に入れて、生活のリズムを整えるようにします。

 

自分の長所に目を向けてほめる
うつ状態にあると自分を責めがちになり、長所を見つけられなくなります。
自分の長所に目を向けて、自分自身をいたわってあげましょう。
そして、1日に1つずつ良いところを挙げて、ちょっとした変化にも自分で自分自身をほめてあげます。
初期症状であれば、これだけで気持が救われるはずです。

 

自分の苦痛を話してみる
できれば心を打ち明けられる人に、自分が抱えている苦痛を正直に話してみます。
話をすることで心が落ち着いてくるのを感じられると思います。
もちろん、神経科や心療内科、メンタルクリニックなどで、専門家に相談してみることも大事です。

 

適度に運動する
じっと引きこもらずに、適度に運動することをおすすめします。
軽いウォーキングやストレッチ、ラジオ体操でも構いません。

 

自然・植物・動物に触れてみる
症状が少し落ち着いたら、自然や動植物に触れてリラックスするのも効果的です。
日常的に触れ合うことは、うつ病の予防にもなりますし、ストレスコーピングの一つとして行ってもよいでしょう。

 

無理をしない・焦らない
回復を決して焦らないこと、そして無理をしないことが大切です。
症状が回復してきても、一時的に揺り戻すこともあります。
病状は一進一退がつきものです。ゆっくり焦らずに休養することが大切です。

周囲のサポートで大切なこと

うつ病の人にとって、周囲の理解はとても重要です。
その対応の仕方で回復に影響が出る場合もあります。

 

中でも注意したいのが自殺です。
自殺はうつ病が治療を必要とする大きな理由の一つです。
うつ病の発症時と回復時には特にそのリスクが高まります。
その人にとって大切なものを失ったり、自殺をほのめかすといったサインが見られたら、言葉を掛けてあげたり、じっくりと話を傾聴くなどして、自殺を思いとどまるようにサポートしていくことが大切です。

 

うつをこう理解しよう

周囲が心配しすぎない
周りの人が心配し過ぎに、温かく見守ることが大事です。
心の病は目に見えないものです。無理に外に誘ったり、回復を焦らせてはいけません。
うつ状態は、38〜39度の発熱のある人と同じで、自宅でゆっくりと休養する必要があります。
眠っているのであれば、無理に起こさないで、十分な休養を保証します。

 

「脳の疲労による病気」と理解する
うつ病という病気をきちんと理解することも大切です。
脳が疲労しているからであって、決して本人が怠けていたり、わがままだったりしているのではありません。

 

叱咤激励、助言・説得は逆効果
「頑張って」の言葉は禁句です。
これまで精いっぱい頑張ってきた結果、うつ状態になっているのですから、励ましや叱責はさらに相手を追い込んでしまいます。
それよりも、話をよく聞いてあげたり、苦しんでいることを認めてあげます。
助言や説得は逆効果どころか百害で、うつになった原因について「なぜ?どうして?」と追及し過ぎるのもいけません。

 

重要な決定は先延ばしにさせる
重要な決定事項、例えば病院を辞めるというようなことを本人に決断させてはいけません。
うつ状態にあると必ず「辞める」と言いますが、これはうつが言わせているのであって、決して本心ではありません。
ほとんどの人は、辞めてから後悔するので、決定は先に延ばすようにします。